最大判昭和29年1月21日【農地買収計画取消訴願裁決事件】のお話

判例集

えっ、行政が自分の裁決を取り消すってアリなの?

🧾最大判昭和29年1月21日のお話 Hasu超訳

ある農地買収計画に対して、訴願裁決(行政不服審査の一種)で「取り消し」が決定されました。 ところがその後、裁決庁(訴願を審査した行政機関)が「やっぱり取り消しはナシで!」と、自らその裁決を取り消してしまったのです。

団体側は「そんなのアリ?裁決って一度出したら変えられないんじゃないの?」と訴訟を起こしました。

そして最高裁はこう言いました。

「訴願裁決は、行政処分ではあるけれど、実質的には“法律上の争訟”を裁く性質を持っている。だから、原則として裁決庁が自ら取り消すことはできないよ」

つまり、行政処分でも“裁判的性質”を持つものには、判決と同じような「不可変更力」があるということです!

この判例は、「行政処分の性質」や「不可変更力」について考えるうえでとても重要!行政書士試験でも頻出なので、要チェックです!

📝裁判のざっくり要約

昭和29年1月21日、最高裁は「農地買収計画取消訴願裁決取消処分事件」に関する判決を下しました。

争点は、「訴願裁決を、裁決庁が自ら取り消すことができるのか?」という点。

最高裁は、「訴願裁決は行政処分であるが、法律上の争訟を裁く性質を持つため、原則として裁決庁が自ら取り消すことはできない」と判断しました。

📌判決のポイント

  • 訴願裁決は行政処分であるが、実質的には“裁判的性質”を持つ。
  • そのため、判決と同様に「不可変更力」が認められる。
  • 特別な法律の規定がない限り、裁決庁が自ら取り消すことはできない。
  • よって、今回の取消処分は違法。

この判例は、「行政処分の限界」や「法的安定性」の考え方を示す重要な判断です。

✎理解度テスト

最大判昭和29年1月21日の判例において、裁決庁が自ら訴願裁決を取り消すことができないとされた理由として正しいものはどれ?

①行政処分は常に変更可能だから

②訴願裁決は裁判的性質を持ち、不可変更力があるから

③裁決庁には取消権限があるから

④農地買収計画は重要だから

答えは↓スクロール

答えは②です。

一言解説:「訴願裁決は裁判的性質を持ち、原則として裁決庁が自ら取り消すことはできません!」

今日のひと頑張りが、明日の私をつよくする!!

ありがとうございました✿

Hasu

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